恵比寿様(えびす様)はどんな神様なのか?またどのようなご利益があるのか?
簡単な説明、ご利益、呼び方・表記、祀られている神社について一覧でまとめています。
恵比寿様(えびす様)はどんな神様?、どんなご利益があるの?
恵比寿様(えびすさま)は「どのような神様か?」また、「どのようなご利益があるのか?」について「日本書紀」と「古事記」からまとめています。
恵比寿様(えびす様)はどのような神様?
恵比寿様(えびす)と言えば、釣り竿を持ち鯛を抱えた姿で描かれている商売繁盛の神様です。
七福神のうちの一柱。「えびす」は戎、夷、恵比寿、蛭子、恵比須、恵美須など、色々な当て字が使われています。通称「えべっさん」。
鯛を持っていることから、もともとは漁民たちの間に信仰されていました。
その後、鎌倉時代後期から室町時代になると、大漁だけでなく、商売繁盛をもたらす神様として全国に広まっていきます。
恵比寿様は、蛭子神(ヒルコノカミ)や事代主神(ことしろぬしのかみ)と同一神とされています。
恵比寿様(えびす様)は蛭子神/水蛭子(ヒルコノカミ)と同一神
恵比寿様は、伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)との間に生まれた子供、蛭子神(ヒルコノカミ)でもあります。またの名を水蛭子(ヒルコ)。
意味は「ヒルのように骨のない子」から来ています。
イザナギ&イザナミ夫婦は、蛭子神(ヒルコノカミ)に骨がなく、神様として不完全であり、意に沿わない子供だったので、イカダの舟に乗せてオノコロ島から海に流しました。
「古事記」では水蛭子神(ヒルコノカミ)を海に流したことしか書かれていませんが、「日本書紀」では、水蛭子神(ヒルコノカミ)は3歳になるまで足が立たなかったということが書かれています。
イザナギとイザナミは天から見ている神様に相談したところ、女性のイザナミから声をかけたのが悪かったというので、改めて夫のイザナギから声をかけると無事に島が生まれたと書かれています。
「正しく読む古事記」で確認してみると、古代の日本では「神様が不具の人間の姿で人々のもとに訪れる」という伝説が多くあったそうです。不具の姿をしたまれ人に親切にした者が多くの幸運を得たという形を取っている話が多くあると書かれています。
また、子供を海に流すということが残酷に見えますが、これも子供を常世国(とこよのくに)という海の果ての神々の世界に送って修行をさせるという意味に使われているそうです。
参考資料:国の創世神話 P. 35「正しく読む古事記」武光誠(エムディエヌコーポレーション)より
海に流された蛭子神(ヒルコノカミ)ですが、その後は「古事記」と「日本書紀」には全く登場せず、物語はイザナギとイザナミの話に移ってしまい話には出てきません
しかしその後は民間信仰の中から蘇ります。
漁業の神様で福の神、七福神のの一柱でもある恵比寿様(えびす様)は、平安時代後期編纂の「色葉字類抄(いろはじるいしょう)」で、西宮神社の御祭神・蛭子神(ヒルコノカミ)が摂津国から西の浦に流れ着き、戎三郎(えびすさぶろう)として育てられ、戎三郎大明神、戎大神(えびすのおおかみ)として祀られたことから、蛭子神(ヒルコノカミ)と同一神とされるようになりました。
参考:「日本書紀 巻1 神代上[50]」(国立国会図書館デジタルコレクション)より
恵比寿様(えびす様)は事代主神(ことしろぬしのかみ)と同一神
恵比寿様(えびす様)が釣り竿を持った姿で描かれているのは、恵比寿神が事代主神(ことしろぬしのかみ)と同一神であるという説から来ています。
「古事記」と「日本書紀」の国譲りの話で、武御雷神(タケミカヅチノカミ)が交渉に訪れた時に、事代主神(コトシロヌシノカミ)が釣りをしていたことに由来しています。
恵比寿様(えびす様)はどのようなご利益があるの?
「えびす」というのは「戎」「夷」「恵比寿」などの字を使いますが、元々は「異邦人」を意味する言葉で、海から来た神様、外部からやってきて福を運んできてくる「福の神」となりました。
漁民たちがイルカやクジラなどを「えびす」と呼び、大漁をもらたす福の神として信仰したことから「漁業」「大漁」「航海安全」のご利益が、そして民間信仰から全国の農村や都に広まり、商業の「商売繁盛」「金運向上」のご利益があるとされるようになっています。
呼び方・表記
えびす大神以外に、同一神である蛭子神(水蛭子)や事代主神(コトシロヌシノカミ)など色々な呼び方があります。
書物や神社によって読み方が変わりますが、すべて同一神です。
呼び方・表記 | 意味 |
---|---|
水蛭子(ヒルコ) | 古事記での呼び方。神社により呼び方が異なる |
蛭児(ヒルコ) | 日本書紀での呼び方。神社により呼び方が異なる |
えびす大神(エビスオオカミ) | 西宮神社の呼び方。神社により呼び方が異なる |
蛭子大神(ヒルコノオオカミ) | 和田神社の呼び方。神社により呼び方が異なる |
蛭子神(ヒルコノカミ) | 神社により呼び方が異なる |
事代主命(コトシロヌシノミコト) | 今宮戎神社の呼び方。神社により呼び方が異なる |
事代主神(コトシロノカミ) | 長田神社の呼び方。神社により呼び方が異なる |
事代主大神(コトシロヌシノオオカミ) | 神社により呼び方が異なる |
八重事代主之尊(やえことしろぬしのみこと) | 神社により呼び方が異なる |
八重事代主大神(やえことしろぬしのおおかみ) | 神社により呼び方が異なる |
八代事代主大神(やえことしろぬしのおおかみ) | 京都ゑびす神社の呼び方。神社により呼び方が異なる |
大阪府に恵比寿様(えびす様)が祀られている神社
神社名(大阪府) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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今宮戎神社 | いまみやえびすじんじゃ | 大阪市浪速区恵美須町西1-6-10 | 主祭神の内の一神が事代主命(ことしろぬしのみこと) |
志紀長吉神社 | しきながよしじんじゃ | 大阪市平野区長吉長原2-8-23 | 主祭神の内の一神が事代主命(ことしろぬしのみこと) |
大宮神社 | おおみやじんじゃ | 大阪市旭区大宮3丁目1-37 | 御祭神のの内の一神が事代主神(ことしろぬしのかみ) |
中道八阪神社の摂社「玉造戎神社」 | なかみちやさかじんじゃ(たまつくりえびすじんじゃ) | 大阪市東成区中道4丁目8-20 | 御祭神のの内の一神が事代主大神(ことしろぬしのおおかみ) |
布忍神社 | ぬのせじんじゃ | 大阪府松原市北新町2-4-11 | 主祭神の内の一神が八重事代主之尊(やえことしろぬしのみこと) |
服部天神宮の摂末社「豊中えびす神社」 | はっとりてんじんぐう | 大阪府豊中市服部元町1 | 御祭神が蛭子大神(ヒルコノオオカミ) |
堀川戎神社 | ほりかわえびすじんじゃ | 大阪府大阪市北区西天満5丁目4-17 | 御祭神が蛭子大神(ひるこおおさかみ) |
大阪で人気の恵比寿さま(えべっさん)と言えば「今宮戎神社」です。
兵庫県に恵比寿様(えびす様)が祀られている神社
神社名(兵庫県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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西宮神社 | にしのみやじんじゃ | 兵庫県西宮市社家町1-17 | 主祭神の内の一神がえびす大神(えびすおおかみ) |
長田神社 | ながたじんじゃ | 兵庫県神戸市長田区長田町3-1-1 | 主祭神が事代主神(ことしろぬしのかみ)。摂社に「蛭子社」もある。 |
越木岩神社 | こしきいわじんじゃ | 兵庫県西宮市甑岩町5-4 | 主祭神の内の一神が蛭子大神(ひるこおおかみ) |
和田神社 | わだじんじゃ | 兵庫県神戸市兵庫区和田宮通3-2-45 | 主祭神の内の一神が蛭子大神(ひるこのおおかみ) |
柳原蛭子神社 | やなぎわらひるこじんじゃ | 兵庫県神戸市兵庫区西柳原町5-20 | 主祭神が蛭子大神(ひるこのおおかみ)と事代主神(ことしろぬしのかみ) |
有間神社 | ありまじんじゃ | 兵庫県神戸市北区有野町有野4435 | 主祭神の内の一神が事代主大神(コトシロヌシノオオカミ) |
弓弦羽神社の末社「蛭子宮」 | ゆずるはじんじゃ「ひるこぐう」 | 兵庫県神戸市東灘区御影郡家2-9-27 | 末社「十二社」内に「蛭子宮」がある。 |
兵庫県の恵比寿さまと言えば西宮神社と長田神社が人気です。特に西宮神社。神戸市に蛭子神が流れついたことから神戸市内の神社に多く祀られています。
京都府に恵比寿様(えびす様)が祀られている神社
神社名(京都府) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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京都ゑびす神社 | きょうとえびすじんじゃ | 京都市東山区大和大路四条下る小松町125 | 主祭神の内の一神が八重代事代主大神(やえことしろぬしのおおかみ) |
奈良県に恵比寿様(えびす様)が祀られている神社
神社名(奈良県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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三輪惠比須神社 | みわえびすじんじゃ | 奈良県桜井市三輪375 | 主祭神の内の一神が八重事代主命(やえことしろぬしのみこと) |