アメノウズメノミコト(天宇受売命/天細女命)は何の神様なのか?またどのようなご利益があるのか?
簡単な説明、ご利益、呼び方・表記、祀られている神社について一覧でまとめています。
アメノウズメノミコト(天宇受売命)は何の神様?、どんなご利益があるの?
アメノウズメノミコト(天宇受売命)は、日本神話に登場する女神様です。
一般的にアメノウズメと呼ばれています。
アメノウズメノミコト(天宇受売命)は何の神様?
アメノウズメノミコト(天宇受売命)は芸能・芸術の神様で、古代より朝廷の祭祀に携わる一族「猿女(さるめ)」の祖神です。
天細女命は、歌、舞、芸能の神として知られています。天細女命は神楽を通して、高千穂で深く崇拝されており、天細女命の舞から始まった神道舞踊が、神楽の起源と言われています。
古事記や日本書紀によると、天照大御神(アマテラスオオミカミ)が天岩戸に隠れたことで、世界が真っ暗になります。
その時に思金神(オモイノカネノカミ)を中心に話し合いをし、天岩戸の前で祭りをすることになりました。
天宇受売命(アメノウズメノミコト)は岩戸の前で笹の葉を手に持ち、桶を踏み鳴らしながら、半裸で舞を踊り、八百万の神々を笑わせたそうです。
天宇受売命、天香山の天之日影を手次に繋けて、天之真折を鬘と為て、天香山の小竹葉を手草に結ひて、
天之石屋の戸に汙気を伏せて、ふみ登杼呂許志、神懸かり為て、胸乳を掛き出で、裳緒を番登に忍し垂れき。
尒して、高天原動みて、八百万神共に咲ひき。
その笑い声を不思議に思った天照大御神(アマテラスオオミカミ)は戸を開けたことで、天岩戸から引っ張り出すことに成功。
世界に再び光が戻りました。
以上のことから、アメノウズメノミコト(天宇受売命)は歌と踊りが上手く、明るく天真爛漫で、その場で思いついたことを実行できる神様です。
参考:日本書紀(上)(中公文庫)
参考:ただしく読む古事記(エムディエヌコーポレーション)
アメノウズメノミコト(天宇受売命)のご利益
アメノウズメノミコト(天宇受売命)は芸能・芸術、福徳円満のご利益があるとされています。
神事に用いる和歌や音楽などを発展させてきたことから、芸能の起源ともされ、芸能関係者はアメノウズメを信仰し、祀られている神社に参拝しています。
(芸能の神様として人気の神社は、京都の車折神社の末社「芸能神社」。)
その他、おたふく、おかめ様と言って崇拝されている神社もあります。朝廷の祭祀に携わる猿女君(さるめのきみ)の祖神とされています。
天岩戸の話の後、ニニギノミコト(邇邇芸命)の天孫降臨で再び登場します。
アメノウズメノミコト(天宇受売命)は地上に行くニニギノミコト(邇邇芸命)を支える5柱「五伴諸(いつとものお)」の1柱としてお供することになりました。
そこで道案内として登場したのが、後に夫となる猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)です。
猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)と結婚したという説もあり、同じ境内に祀られていることが多いのが特徴。
村や集落では道祖神と結びついたことから、夫のサルタヒコ(猿田彦大神)と一緒に祀られていることもあります。
▲天岩戸で舞う天宇受売命(アメノウズメノミコト)
アメノウズメの呼び方・表記
一般的な天宇受売命(あめのうずめのみこと)以外にも呼び方は色々あります。書物や神社によって読み方が変わりますが、すべて同一神です。
呼び方・表記 | 意味 |
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アメノウズメ | 一般的な呼び方 |
天宇受売命[天宇受賣命](アメノウズメノミコト) | 古事記での呼び方・表記。神社により呼び方が異なる |
天鈿女命(アメノウズメノミコト・アマノウスメ) | 日本書紀での呼び方・表記。神社により呼び方が異なる |
天鈿女神(アメノウズメノカミ) | 神社の呼び方。同一神。 |
天鈿女大神(アメノウズメノオオカミ) | 神社の呼び方。同一神。 |
宮比神(ミヤビノカミ) | 神社の呼び方。同一神。 |
大宮賣神(オオミヤノメノカミ) | 鴫野神社での呼び方。同一神。 |
大宮売大神(オオミヤノメノオオカミ) | 祐徳稲荷神社の呼び方。同一神。 |
大宮能売大神(オオミヤノメノオオカミ) | 志和稲荷神社の呼び方。同一神。 |
道祖神 | 夫・サルタヒコ(猿田彦大神)と一緒に道祖神として祀られてる村や集落、神社がある |
大阪府にアメノウズメノミコト(天宇受売命)が祀られている神社
神社名(大阪府) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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生國魂神社の末社「鴫野神社」 | いくたまじんじゃ(しぎのじんじゃ) | 大阪府大阪市天王寺区生玉町 | 御祭神が大宮賣神(オオミヤノメノカミ) |
瓢箪山稲荷神社の末社「宮比神社」 | ひょうたんやまいなりじんじゃ(みやびじんじゃ) | 大阪府東大阪市瓢箪山町 | 御祭神が天宇受賣命(アメノウズメノミコト) |
深江稲荷神社 | ふかえいなりじんじゃ | 大阪市東成区深江南3丁目 | 御祭神の1柱が天細女大神(アメノウズメノオオカミ) |
京都府にアメノウズメノミコト(天宇受売命)が祀られている神社
車折神社の芸能神社は人気の神社です。
神社名(京都府) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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車折神社の末社「芸能神社」 | くるまざきじんじゃ(げいのうじんじゃ) | 京都府京都市右京区嵯峨 | 御祭神が天宇受売命(アメノウズメノミコト) |
上賀茂神社の摂社「大田神社」 | かみがもじんじゃ(おおたじんじゃ) | 京都府京都市北区上賀茂本山 | 御祭神が天鈿女命(アメノウズメノミコト) |
幸神社 | さいのかみのやしろ | 京都市上京区寺町通今出川上る西入幸神町303 | 相殿神のうちの一柱が天鈿女命(アメノウズメノミコト) |
出世稲荷神社 | しゅっせいなりじんじゃ | 京都市左京区大原来迎院町 | 御祭神のうちの一柱が天鈿女命(アメノウズメノミコト) |
吉田神社の末社「稲荷社」 | よしだじんじゃ(いなりしゃ) | 京都市左京区吉田神楽岡町30 | 末社「稲荷社」の御祭神の一柱が天鈿女神(アメノウズメノカミ) |
兵庫県にアメノウズメノミコト(天宇受売命)が祀られている神社
神社名(京都府) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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佐地神社 | さちじんじゃ | 兵庫県丹波市青垣町小倉 | 御祭神が天宇受売命(アメノウズメノミコト) |
羅佐伊神社 | らさいじんじゃ | 兵庫県西脇市落方町 | 主祭神が天鈿女命(アメノウズメノミコト) |
山伏山神社 | やまぶしやまじんじゃ | 兵庫県神戸市須磨区白川字堂の東 | 配祀神が天鈿女命(アメノウズメノミコト) |
和田神社の摂末社「猿田彦社」 | わだじんじゃ(さるたひこしゃ) | 兵庫県神戸市兵庫区和田宮通3 | 摂末社の御祭神の一柱が天宇受賣命(アメノウズメノミコト) |
奈良県にアメノウズメノミコト(天宇受売命)が祀られている神社
神社名(奈良県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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大和神社の末社「増御子神社」 | やまとじんじゃ(ますみこじんじゃ) | 奈良県天理市新泉町 | 御祭神の一柱が天鈿女命(あまのうすめ) |
賣太神社 | めたじんじゃ | 奈良県大和郡郡山市稗田町 | 御祭神の一柱が天宇受賣命(アメノウズメノミコト) |
滋賀県にアメノウズメノミコト(天宇受売命)が祀られている神社
神社名(滋賀県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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千代神社 | ちよじんじゃ | 滋賀県彦根市 | 御祭神が天宇受売命(アメノウズメノミコト) |
和歌山県にアメノウズメノミコト(天宇受売命)が祀られている神社
神社名(和歌山県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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平間神社 | ひらまじんじゃ | 和歌山県西牟婁郡白浜町 | 御祭神の一柱が大宮能売命(オオミヤノメノオオカミ) |
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