京都市上京区にある「北野天満宮」は学問の神様です。
全国の天満宮、天神社、菅原社など約1万2000社の総本社です。
入試合格、学問成就、合格祈願、文化芸能上達、災難厄除け祈願、一願成就のご利益がある「北野天満宮」の主祭神、ご利益、お守り、アクセスについて紹介します。
ご利益・歴史
菅原道真(すがわらのみちざね)を主祭神、東座に長男の菅原高視(すがわらのたかみ)、西座に正室(妻)の吉祥女(きっしょうめ)を相殿として祀るのが「北野天満宮」です。
読み方は「おおたじんじゃ」。通称「天神さん」「北野さん」「北野の天神さま」と呼ばれています。旧社格は官幣中社。
歴史
元々は天津神(アマツノカミ)と国津神(クニツノカミ)を祀る地主社(現在摂社)と、火雷大神(ホノイカヅチノオオカミ)を祀る火之御子社(現在摂社)の2社がこの地にありました。
昌泰4年(901年)に菅原道真が大宰府に左遷される「昌泰の変」が起き、延喜3年(903年)に太宰府で亡くなります。
菅原道真死後、道真に無実の罪を着せた藤原時平が亡くなったり、落雷や災害が相次いで起こったことから、道真の祟り(たたり)であるという噂が流れます。
噂を知った朝廷は没後20年後の延喜23年(923年)に左遷したことを撤回し、右大臣に復帰、正二位を贈りました。
しかし災害は終わりません。
延喜8年(930年)清涼殿に落雷が起こり、藤原清貫(大納言)と平希世(右中弁・内蔵頭)が死亡するという「聖霊殿落雷事件」が起こったり、醍醐天皇が崩御したりすることが連続して起こることから、菅原道真の怨霊が噂ではことが証明されたのです。
道真の怨霊は「天満大自在天神(神様となった道真の名前)」となり、火之御子社(現在摂社)の火雷大神(ホノイカヅチノオオカミ)と結びつき、雷神(天神・雷の神様)となったと言われるようになりました。
※「風神雷神図屏風」の雷神は、菅原道真の死後雷神となった姿とされている
その後、複数から北野の地に自分を祀るよう託宣があったことから、勅命により社殿を造営したのが始まりとされています。
村上天皇天暦元年(947年)、平安京の北西(天門)に創祀し、天徳三年(959年)藤原師輔が社殿を造営されました。
以上の歴史については、「北野天神縁起絵巻」にわかりやすく紹介されています。
天正年間には豊臣秀吉が境内一帯の北野松原で北野大茶湯を催し、慶長年間には出雲阿国が今日で初めてややこ踊り(歌舞伎踊り)を演じるなど、日本文化発信の中心となりました。
現在の本殿は、豊臣秀頼が慶長12年(1607年)に造営された八棟造と称し、権現造の原型となった桃山建築の代表遺構になっています。
毎月25日の縁日「天神さんの日」には多くの参拝者が訪れています。
参考:北野天満宮 由緒書ほか
ご利益
主祭神の菅原道真は幼少期から学問を好み、難関の試験にも合格した学者、「和魂漢才(わこんかんさい)」の精神を提唱、後に「文道大祖風月本主」と称えられました。
政治家としても異例の出世をしたことから、入試合格、学問成就、合格祈願のご利益があります。
江戸時代以前の道真は怨霊のイメージがありましたが、江戸時代以降は学問の神様として広く信仰されるようになりました。
寺子屋などでも分霊として祀られるようになります。
また、和歌・連歌や武芸など文化芸術にも長けていたことから文化芸能上達のご利益もあるとされています。
北野は平安京の北西角にある天門という方位にあります。これは陰陽道で怨霊や魑魅魍魎が出入りするのを阻止する場所とされています。
そこを鎮めることで運気を上昇させる方角とされていることから、災難厄除け祈願のご利益があるとされています。
厄除けのご利益を得たい方は、本殿以外に(上の歴史で紹介した)摂社の「地主社」と「火之御子社」もあわせてお参りする効果が倍増します。
北野天満宮にはお使いの撫で牛が10以上奉納されています。
これは道真が丑年生まれだったのと、「人にひかせずに牛の行くところにとどめよ」と遺言したことから、牛に引かせ、牛が座り込んで動かなくなった場所(安楽寺:後の太宰府天満宮)に道真を埋葬したことに由来しています。
お祀りされている10以上の撫で牛の中でも、境内の北西に位置する「牛社(牛舎)」に祀られている臥牛は、最古のものであると伝わっています。
牛社の臥牛が一願成就のお牛さま(乾さん)として信仰されていることから、願い事が必ず叶う「一願成就所」として特別な信仰を受けています(上の写真参照)。
その他、境内にはたくさんの摂末社があります。諸願成就のご利益がいただけます。
本殿
- 主祭神:菅原道真
- 相殿神(東座):長男・菅原高視(すがわらのたかみ)
- 相殿神(西座):正室(妻)・吉祥女(きっしょうめ)
- ご利益:入試合格、学問成就、合格祈願、文化芸能上達
摂社
- 火之御子社:火雷神=火雷大神(ホノイカヅチノオオカミ)
- 老松社:島田忠臣
- 白太夫社:度会春彦
- 福部社:十川能福
- 地主社:天神地祇=天津神(アマツノカミ)と国津神(クニツノカミ)
- ご利益:災難厄除け祈願
末社
神話の神様以外に、人神が多く祀られています
- 竈社:庭津彦神(ニワツヒコノカミ)、庭津姫神(ニワツヒメノカミ)、火産霊神(ホムスビノカミ)
- 御后三柱:天穂日命(アメノホヒノミコト)、菅原清公、菅原是善
- 寛算社:寛算入寺
- 大門社:大門内供奉
- 橘逸勢社:橘逸勢
- 藤太夫社:藤太夫吉士
- 文太夫社:分屋宮田麿
- 淳仁天皇社:淳仁天皇
- 太宰小貳社:藤原広嗣
- 櫻葉社:伊予親王
- 吉備大臣社:吉備真備
- 崇道天皇社:崇道天皇
- 高千穂社:瓊瓊杵命(ニニギノミコト)、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)
- 安麻神社:菅原道真のご息女
- 御霊社:菅原道真の眷属神の御霊(みたま)
- 早取社:日本武尊(ヤマトタケルノミコト)
- 今雄社:小槻宿祢今雄
- 貴布禰社:高龗神(タカオカミ)
- 荒神社:火産霊神(ホムスビノカミ)、奥津彦神(オキツヒコノカミ)、奥津姫神(オキツヒメノカミ)
- 神明社:天照大御神(アマテラスオオミカミ)、豊受大御神(トヨウケノオオミカミ)
- 文子社:多治比文子、(相殿)神吉種、太郎丸、最鎮
- 夷社:事代主命(コトシロヌシノミコト)=恵比寿様(えびす)
- 松童社:神太郎丸
- 八幡社:誉田別命(ホンダワケノミコト)=応神天皇
- 若松社:若松章基
- 那伊鎌社:建御名方命(タケミナカタノミコト)
- 一拳社:一言主神(ヒトコトヌシノカミ)
- 周枳社:天稲倉宇気持命(アメノイナクラウケモチノミコト)、豊受気能媛(トヨウケノヒメノミコト)
- 宰相殿社:菅原輔正
- 和泉殿社:菅原定義
- 三位殿社:菅原在良
- 大判事社:秋篠安人
- 豊国神社:豊臣秀吉
- 一夜松神社:一夜千松の霊
- 野見宿祢神社:野見宿祢命(ノミノスクネノミコト)
- 一之保神社:菅原大神=菅原道真
- 奇御魂神社:菅原道真の奇御魂
- 稲荷神社:宇迦御魂神(ウカノミタマノカミ)、猿田彦神(サルタヒコノカミ)、大宮能売神(オオミヤノメノカミ)
- 猿田彦社:猿田彦神(サルタヒコノカミ)、(相殿)大宮能売神(オオミヤノメノカミ)
- 牛社:神のお使い
- 宗像社:田心媛神(タゴリヒメノカミ)、湍津媛神(タギツヒメノカミ)、市杵島姫神(イチキシマヒメノカミ)
- 大杉社:御神木
- 伴氏社:菅原道真の母(伴氏)
- 末社のご利益:道案内、導き、五穀豊穣、仕事運、一願成就、諸願成就など
お守り
北野天満宮のご利益である入試合格、学問成就、合格祈願、災難厄除け祈願を中心にお守りを紹介します。
学業御守(桐箱入り)
桐箱に入った高級感のある学業御守。
入試・試験合格・学力向上のご利益がいただけます。
学業守
学力向上、入試合格祈願、各種試験合格祈願のご利益がある「学業守」
勧学御守
入試・試験合格のご利益がるお守り「勧学御守」
技芸上達守
スポーツ、習い事、武道の向上のご利益があるお守り「技芸上達守」
厄除守
厄災から身を守り、運が開かれるご利益があるお守り「厄除守」
厄除割札
厄除割符に名前を書き片方を天満宮に納め、片方をお守りにします。
「厄除開運 北野天満宮御守護」と書かれています。
祈願絵馬
願い事を書き奉納するとその願いが叶う絵馬。一願成就のご利益がある牛社(牛舎)のお牛さまが成就を後押ししてくれます。
サインペン付き。
アクセス
- 住所:京都市上京区馬喰町 北野天満宮(Google Map)
- 電話番号:075-461-0005
- FAX:461-6556
- アクセス(最寄駅)①嵐電・北野線「北野白梅町駅」より徒歩7分
- アクセス②:JR嵯峨野線「円町駅」から徒歩25分
- アクセス(バス):市バス「北野天満宮前」バス停すぐ
- 駐車場:あり(有料)
電車の場合
電車の場合、嵐電 北野線の終点「北野白梅町駅」から東に徒歩7〜10分にあります。
JR嵯峨野線「円町駅」だと北に徒歩25分。かなり遠いので、バスをおすすめします。
市バス「北野天満宮前」バス停すぐ。
車の場合:駐車場
- 駐車場:あり(60分600円、以降30分毎に200円)
- 駐車場利用時間:24時間営業
以前は無料だったこともありましたが、参拝以外で利用する人が多いことから有料になっています。
有料の駐車場は一の鳥居のすぐ北側から入れます。
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