スクナヒコナノミコト(少彦名命)は何の神様なのか?またどのようなご利益があるのか?
簡単な説明、ご利益、呼び方・表記、祀られている神社について一覧でまとめています。
スクナヒコナノミコト(少彦名命)は何の神様?、どんなご利益があるの?
スクナヒコナノミコト(少彦名命)は古事記や日本書紀など、日本神話に登場する神様です。
スクナヒコナノミコト(少彦名命)は何の神様?
スクナヒコナノミコト(少彦名命)は、オオクニヌシノミコト(大国主命)と一緒に国造り(国作り)をする日本神話に登場。
その時にオオクニヌシノミコト(大国主命)の兄弟となり、あらゆる知恵を貸してあげた神様です。
「古事記」には「力のある大きな大国主神は、知恵の持つ小さな少彦名神の助けを得て、国作りを成し遂げる」と書かれています。
オオクニヌシノミコト(大国主命)が神様をつれて岬に行った時に、海からガガイモという草の種子を包んでいた小さな船に載った背の低い神様がやってきます。
名前を尋ねますが小さな神様は答えません。ようやくしてカミムスビの子供であることを知ります。
オオクニヌシノミコト(大国主命)がカミムスビに訪ねたところ、「この神様(スクナヒコナ)は私の指の間から落ちた神様(=天から落ちた神様)である」と答えました。
「日本書紀」には、スクナヒコナノミコト(少彦名命)はタカミムスビの子供とされています。
※カミムスビもタカミムスビも最初に途上した神様「造化三神」
この話は神話の編集で、出雲の産霊(むすび)の神様をタカミムスビと同一のものとしたからだと言われています。
以上のことから、オオクニヌシノミコト(大国主命)が祀られている神社には、スクナヒコナノミコト(少彦名命)が合祀されている神社が多いのが特徴。
その後のスクナヒコナノミコト(少彦名命)は、粟の茎(くき)で遊んでいる時に、くきに弾かれてしまい、海の果の常世国に去っていったと「古事記」には書かれています。
日本昔話に出てくる一寸法師は、スクナヒコナが元になった物語だと言われています。
スクナヒコナノミコト(少彦名命)はどんなご利益があるの?
スクナヒコナノミコト(少彦名命)は国造りの協力神、常世の神様、医薬、温泉、おまじないの神様、穀物、知識、酒造、石の神様などたくさんのご利益があります。
- 病気平癒(医薬・医療・おまじない・婦人病・温泉・酒造)
- 国造り(国作り):オオクニヌシノミコト(大国主命)と一緒に
- 常世
- 穀物:水田の作物を大きく成長させる
- 知識:オオクニヌシノミコト(大国主命)に知恵を貸してあげたことに由来
- 石
※酒:古来より薬の一つとされ酒造りの技術を広めた
※温泉:温泉湯治が医療の一部とされていた
「伊予国風土記」には、仮死状態となっていたスクナヒコナが温泉に入って生き返ったという話が載っていたり、医薬、医療、婦人病、温泉、酒造など病気平癒のご利益があります。
うさぎの日本昔話「因幡の白兎」では、オオクニヌシノミコト(大国主命)がスクナヒコナノミコト(少彦名命)と一緒に病気の治療法を見つけたので、医療の神様とも言われています(日本書紀より)。
粟島(淡島)神社から、スクナヒコナを婦人病のご利益があると信仰が広まりました。それは医療の神様とされていたところから来ています。
呼び方・表記
一般的なスクナヒコナノミコト(少彦名命)以外にも呼び方は色々あります。書物や神社によって読み方が変わりますが、すべて同一神です。
呼び方・表記 | 意味 |
---|---|
スクナヒコナ | 一般的な呼び方 |
スクナビコナ | 一般的な呼び方 |
少名毘古那神(スクナヒコナノカミ) | 古事記での呼び方・表記。神社により呼び方が異なる |
少彦名命(スクナヒコナノミコト) | 日本書紀での呼び方・表記。神社により呼び方が異なる |
天少彦根命(アマノスクナヒコネノミコト) | 「先代旧事本紀」の呼び方・表記 |
須久奈比古命(スクナヒコナノミコト) | 「出雲国風土記」の呼び方・表記 |
小比古尼命(スクナヒコネノミコト) | 「播磨国風土記」の呼び方・表記 |
少彦名神(スクナヒコナノカミ) | 安居神社などの呼び方 |
少彦名大神(スクナヒコナノオオカミ) | 露天神社(お初天神)などの呼び方 |
須久那美迦微(スクナヒコネ) | 神社により呼び方が異なる |
少日子根 | 神社により呼び方が異なる |
淡島明神 | 堀川戎神社の呼び方 |
大阪府にスクナヒコナノミコト(少彦名命)が祀られている神社
スクナヒコナが祀られている神社と言えば、大阪市内の薬の町・道修町の「少彦名神社」が有名です。
神社名(大阪府) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
---|---|---|---|
生根神社 | いくねじんじゃ | 大阪市住吉区 | 主祭神が少彦名命(スクナヒコナノミコト) |
産湯稲荷神社の玉之井 | うぶゆいなりじんじゃ(たまのい) | 大阪府大阪市天王寺区小橋町 | 境内の玉之井の上には神棚があり、少彦名神(スクナヒコナノカミ)が祀られている |
少彦名神社(神農さん) | すくなひこなじんじゃ(じんのうさん) | 大阪市中央区道修町 | 主祭神のうちの一柱が少彦名命(スクナヒコナノミコト) |
露天神社(お初天神) | つゆのてんじんじゃ(おはつてんじん) | 大阪市北区曽根崎 | 御祭神のうちの一柱が少彦名大神(スクナヒコナノオオカミ) |
服部天神宮 | はっとりてんじんぐう | 大阪府豊中市服部元町1 | 主祭神のうちの一柱が少彦名命(スクナヒコナノミコト) |
堀川戎神社 | ほりかわえびすじんじゃ | 大阪府大阪市北区西天満 | 配祀のうちの一柱が少彦名命(スクナヒコナノミコト) |
安居神社 | やすいじんじゃ | 大阪市天王寺区逢坂 | 主祭神のうちの一柱が少彦名神(スクナヒコナノカミ) |
京都府にスクナヒコナノミコト(少彦名命)が祀られている神社
神社名(京都府) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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京都ゑびす神社 | きょうとえびすじんじゃ | 京都市東山区大和大路四条下る小松町 | 主祭神のうちの一柱が少彦名神(スクナヒコナノカミ) |
五條天神社 | ごじょうてんじんじゃ | 京都府京都市下京区松原通西洞院西入る | 御祭神が少彦名命(スクナヒコナノミコト) |
幸神社 | さいのかみのやしろ | 京都市上京区寺町通今出川上る西入幸神町303 | 相殿神のうちの一柱が少彦名神(スクナヒコナノカミ) |
城南宮の末社「粟島社」 | じょうなんぐう(あわしましゃ) | 京都市伏見区中島鳥羽離宮町7 | 末社「粟島社」御祭神が少名毘古那神(スクナビコナノカミ) |
兵庫県にスクナヒコナノミコト(少彦名命)が祀られている神社
神社名(兵庫県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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有間神社 | ありまじんじゃ | 兵庫県神戸市北区有野町有野 | 御祭神のうちの一柱が少彦名大神(スクナヒコナノオオカミ) |
志筑神社 | しづきじんじゃ | 兵庫県淡路市志筑 | 主祭神が少彦名神(スクナヒコナノカミ) |
奈良県にスクナヒコナノミコト(少彦名命)が祀られている神社
神社名(奈良県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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大神神社 | おおがみじんじゃ | 奈良県桜井市三輪 | 配祀神のうちの一柱が少彦名神(スクナヒコナノカミ) |
滋賀県にスクナヒコナノミコト(少彦名命)が祀られている神社
神社名(滋賀県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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馬神神社 | うまがみじんじゃ | 滋賀県大津市三井寺町 | 主祭神が少彦名命(スクナヒコナノミコト) |
和歌山県にスクナヒコナノミコト(少彦名命)が祀られている神社
神社名(和歌山県) | 読み方 | 住所 | ゆえん |
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淡島神社 | あわしまじんじゃ | 和歌山県和歌山市加太 | 主祭神のうちの一柱が少彦名命(スクナヒコナノミコト) |
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