淡島神(アワシマノカミ)のご利益と御祭神の神社

淡島神(アワシマノカミ)はどんな神様なのか?またどのようなご利益があるのか?

簡単な説明、ご利益、呼び方・表記、祀られている神社について一覧でまとめています。

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淡島神(アワシマノカミ)はどんな神様?

淡島神(アワシマノカミ)は、日本神話に登場する婦人病治癒、裁縫上達、人形供養などの女性守護の神様です。

淡路明神(あわじみょうじん)の御神徳を説いて回ったことから民間信仰で全国に広まりました。主にアワシマ(あわしま)と呼ばれています。

不完全な子とされ大八洲に入れず

古事記・日本書紀によると、イザナギとイザナミが生んだ最初の子の一人になります。ヒルコの2番目に誕生。

イザナギとイザナミの夫婦は、蛭子と淡島のどちらも意に沿わない不具(障害)のある子とされ、葦船に乗せ流されています。

  • 蛭子神(ヒルコノカミ):3歳まで歩けず
  • 淡島神(アワシマノカミ):小さい姿、未熟だった

淡島神(アワシマノカミ)は小さな姿だったことから、大八洲(おおやしま)=日本国となる「国産み」の神様には入りませんでした。

海に流された蛭子と淡島ですが「修行にだされた」という解釈にも取れるとのことです。

 

少彦名命(スクナヒコナ)と同一神説

淡島神(アワシマノカミ)は後に少彦名命(スクナヒコナノミコト)と同一神となる説もあります。

小さい子だった淡島神(アワシマノカミ)は、海の果てでカミムスビの子として育ったとされています。

その小さな神様が後に少彦名命(スクナヒコナ)となり、海の果てから大国主命(オオクニヌシノミコト)を助けに現れます。

蛭子神と淡島神はどちらも不具の子でしたが、「日本書紀」では後に成長した姿を見せる「まれ人(まれびと)の神」になりました。

参考:「正しく読む古事記」武光誠

 

淡島神社・粟島神社から民間信仰で全国に広まる

淡嶋神社(淡島神社)は「国造りを終えた少彦名神が粟島から常世の国に渡って行った」という記述を採用して民間信仰により全国に広めていきました。

淡島神(アワシマノカミ)は少彦名命(スクナヒコナ)となり、女性の成長を見守る神様として民間信仰で全国に広まっていきます。

現在、全国の淡島神社・粟島神社の主祭神はスクナヒコナになっています。

(ご利益については下記しています)

 

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淡島神(アワシマノカミ)のご利益

「古事記」と「日本書紀」から淡島神(アワシマノカミ)のご利益をまとめました。

淡島神(アワシマノカミ)=少彦名命(スクナヒコナ)は婦人病治癒のご利益がある神様として民間信仰(淡島信仰)により広まりました。

これは少彦名命(スクナヒコナノミコト)医療の神様であることから来ています。

 

淡島神は頗梨采女(=婆利塞女・はりさいじょ)と呼ばれ、その名前から針供養(はりくよう)に結びついたという説があります。

古い針を供養すると、裁縫が上達し衣服に不自由なく暮らせるようになると言われています。

以上のことから、裁縫上達のご利益もあるとされています。

 

淡島神は住吉神に嫁いだとする説があります。

婦人病を患い舟に乗せられて海に流され、3月3日に紀伊国(和歌山)の粟島に流れ着き、この地で同じ婦人病に苦しむ女性を治すことを心に誓ったとあります。

そこから女性が祈れば応えてくれる女神として祀られるようになりました。

そこから婦人病治癒、縁結び、安産、最近では恋愛成就のご利益がある神様として信仰されるようになりました。

 

3月3日に粟島に流れ着いた淡島神は、巻物で人形を作ったことから、ひな祭り(雛祭り)が始まったと言われています。

無病息災を願い、奉納した人形を小舟に乗せて流す「雛流し」の神事はここから始まりました。淡嶋神社では人形供養雛流しが毎年行われています。

  • 婦人病治癒
  • 縁結び
  • 安産
  • 裁縫上達
  • 人形供養
  • 夫婦円満

 

呼び方

一般的な淡島神(アワシマノカミ)以外にも呼び方は色々あります。書物や神社によって読み方が変わりますが、すべて同一神です。

呼び方 意味
淡島(あわしま) 一般的な呼び方
淡嶋(アワシマ) 「古事記」での呼び方
淡洲(アワシマ) 「日本書紀」での呼び方
阿波志麻(アワシマ) 別名
少彦名命(スクナヒコナノミコト) 同一神
粟嶋大明神(あわしまだいみょうじん) スクナヒコナと同一神、神社による
淡島明神(あわしまみょうじん) スクナヒコナと同一神、神社による
淡島大神(アワシマノオオカミ) スクナヒコナと同一神、神社による

 

淡島神(アワシマノカミ)が祀られている神社

和歌山市加太にある「淡嶋神社」が総本社となっています。

神社名 読み方 住所 ゆえん
淡嶋神社 あわしまじんじゃ 和歌山市加太116 主祭神の一柱が少彦名命(スクナヒコナノミコト)
粟嶋神社 あわしまじんじゃ 熊本県宇土市新開町557 主祭神のが少彦名命(スクナヒコナノミコト)=粟嶋大明神
粟嶋神社 あわしまじんじゃ 大分県佐伯市米水津大字小浦421 主祭神の一柱が少彦名命(スクナヒコナノミコト)
粟嶋社 あわしましゃ 大分県豊後高田市臼野7-10 主祭神のが少彦名命(スクナヒコナノミコト)
堀川戎神社 ほりかわえびすじんじゃ 大阪市北区西天満5丁目4-17 御祭神の一柱が少彦名命(スクナヒコナノミコト)=淡島明神
安居神社の摂社「淡島大神」 やすいじんじゃ(あわしまのおおかみ) 大阪市天王寺区逢坂1-3-24 摂社「淡島大神」の御祭神が淡島大神(アワシマノオオカミ)

 

淡島神の日本神話についてさらに詳しく

 

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