京都市西京区にある「松尾大社」は農耕や土地の開拓、山、海上守護の神様です。
洛西の総氏神で、醸造祖神であることから、お酒の神社として人気です。
農業守護、五穀豊穣、家内安全、海上守護、諸願成就、開拓、治水、土木、建築、商業、文化、寿命、交通、安産のご利益がある松尾大社の主祭神、ご利益、お守り、アクセスについて紹介します。
ご利益・歴史
大山咋神(オオヤマクイノカミ)と中津島姫命(ナカツシマヒメノミコト)=市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)を主祭神とするのが「松尾大社」です。
読み方は「まつのおたいしゃ」ですが、一般的に「まつおたいしゃ」と呼ばれています。
二十二社(上八社)の一社で、旧社格は官幣大社。
歴史
元々は松尾大社の背後にある松尾山の磐座(いわくら)を祀り、生活の守護神としたのが始まりとされています。
大宝元年(701年)に文武天皇の勅命により、秦忌寸都理(はたのいみきとり)が松尾山の山上にある磐座の神霊を移し、社殿を建立したと言われています。
この時、知満留女(ちまるめ)を斎女として奉仕した女性が秦氏で、神官として明治まで務めました。
秦氏は保津峡を開削し、桂川に堤防を築き、渡月橋の上流に大堰や周辺の用水路を作ったりと、桂川を周辺とした農耕地の開拓を行いました。
農業が進むと、絹織物も作られるようになったり、農業の米を使い酒造りを行い、朝廷に酒造りの新しい技術を伝授したことから、松尾大社が「日本第一酒造神」と言われるようなっていきます。
この時、朝廷から禹豆麻佐(うずまさ)という姓をを賜りました。現在も太秦(うずまさ)の地名として残っています。
平安京遷都後は東の賀茂神社[上賀茂神社(賀茂別雷神社)、下鴨神社(加茂御祖神社)]、西の松尾大社と、「東の巌神、西の猛霊」と言われるようになり、西の王城鎮護社に位置づけられました。
神のお使いとして亀と鯉が境内に見られます。
二十二社の中でも位が高い上八社のうちの一社となっています。全国1280社もある松尾神の総本山。
ご利益
主祭神の1柱である主祭神の大山咋神(オオヤマグイノカミ)は大きな山に杭を打つ神であることから、「大きな山の所有者」という意味の神様です。
古事記には以下のように書かれています。
「大山咋神(オオヤマクイノカミ)、またの名は山末之大主神(ヤマスエノオオヌシノカミ)と言い、山部に鎮座されて、山や山麓一体を支配される神様で、近江国の比叡山を支配される神「日吉大社」と、ここ松尾山一体を支配される神「松尾大社」がおられた」
参考:古事記より
「古事記」によると
※山の神様と言えば大山祇神(オオヤマツミノカミ)が有名ですが、大山咋命(オオヤマクイノカミ)とは別の神様です。
須佐之男神(スサノオ)の孫にあたります。スサノオの子・大年神(オオトシノカミ)の子。
大年神(オオトシノカミ)の子供は農耕や土地に関係する神様が多く、大山咋神(オオヤマクイノカミ)も同様に農業守護、五穀豊穣、家内安全のご利益があるとされています。
主祭神の1柱である中津島姫命(ナカツシマヒメノミコト)は、宗像三女神の市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)と同一神とされています。
古事記には以下のように書かれています。
「天照大神(アマテラス)と須佐之男命(スサノオ)が天安河(あめのやすかわ)で誓約(うけい)された時に、狭霧の中に生まれた」
海上守護のご利益があり、帰化人の秦氏が交易をする関係から、航海の安全を祈って祀られたと言われています。
そして、秦氏が農耕や土地の開拓、酒造りなどを行ったことから、開拓、治水、土木、建築、商業、文化、寿命、交通、安産などの守護神があることから諸願成就のご利益があるとされています。
また、酒造の神様として人気の神社です。
境内にはご利益をいただけるスポットがいくつかあります。
神のお使いの亀と鯉からご利益がいただけます。
- 幸運の撫で亀:寿命超久、家庭円満のご利益
- 幸運の双鯉:恋愛成就、夫婦円満、立身出世のご利益
- 相生の松:恋愛成就、夫婦和合のご利益
- 神泉「亀の井」:諸病快癒、延命長寿、寿福増長のご利益
- 霊亀(レイキ)の滝:癒しのパワースポット
- 神像館
- 磐座(いわくら)
▲ 諸病快癒、延命長寿、寿福増長のご利益がある神泉「亀の井」と御神水
▲恋愛成就、夫婦円満、立身出世のご利益がある「幸運の双鯉」
▲恋愛成就、夫婦和合のご利益がある「相生の松」
▲癒しのパワースポット「霊亀(レイキ)の滝」
▲庭園
その他、境内には複数の摂末社があります。
この中でも摂社「月読神社」は境内に神功皇后にゆかりのある安産信仰発祥の石「月延石」があることから、子授け・安産のご利益がある神社として有名です。
※摂末社の神様は下記しています。
- 御祭神:大山咋神(オオヤマグイノカミ)、中津島姫命(ナカツシマヒメノミコト)=市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)
- 摂社「月読神社」:月読尊(ツキヨミノミコト)
- 摂社「櫟谷宗像神社」:奥津島姫命(オクツシマヒメノミコト=田心姫命)、市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)
- 末社「三宮社」:玉依姫命(タマヨリヒミノミコト)=玉櫛姫命(タマクシヒメノミコト)
- 末社「四大神社」:春若年神、夏高津日神、秋比売神、冬年神
- 末社「滝御前」:罔象女神(ミツハノメノカミ)
- 末社「衣手社」:羽山戸神
- 末社「一挙社」:一挙神
- 末社「金刀比羅社」:大物主神(オオモノヌシノカミ)
- 末社「祖霊社」:松尾社の功績社が祀られている
- ご利益:農業守護、五穀豊穣、家内安全、海上守護、諸願成就、開拓、治水、土木、建築、商業、文化、寿命、交通、安産
- 創建:大宝元年(701年)
アクセス
- 住所:京都市西京区嵐山宮町3(Google Map)
- 電話番号:075-871-5016
- FAX:075-871-3434
- アクセス(最寄駅):阪急嵐山線「松尾大社駅」より徒歩2分
- お酒の資料館あり
- 蓬莱の庭あり
- 駐車場:あり
電車の場合
阪急嵐山線「松尾大社駅」西出口改札から、交差点を渡り西側に進むと「松尾大神」と書かれた大鳥居が見えてきます。
境内に入り、楼門を越えると拝殿・本殿があります。赤鳥居まで徒歩2〜3分。
車の場合・駐車場
松尾大社の入口付近に大きな駐車場が複数あります。
普段は第一駐車場に駐車します。混んでいる時は複数の駐車場が開放されます。
松尾大社に関連する記事 一覧
松尾大社に関連する記事一覧です。続けて読んでみて下さい▼
関連:「京都府の神社一覧」
関連:「二十二社 一覧(上七社・中七社・下八社別、都県別)」
摂社のご利益▼
関連(摂社「月読神社」のご利益):「安産祈願・子授・子宝祈願のご利益がある関西の神社」