イワナガヒメノミコト(石長比売命)のご利益と御祭神の神社

石長比売命(イワナガヒメノミコト)イメージ

イワナガヒメノミコト(石長比売命)は何の神様なのか?またどのようなご利益があるのか?

簡単な説明、ご利益、呼び方・表記、祀られている神社について一覧でまとめています。

 

イワナガヒメノミコト(石長比売命)は何の神様?、どんなご利益があるの?

石長比売命(イワナガヒメノミコト)イメージ

石長比売命(イワナガヒメノミコト)は「どのような神様か?」また、「どのようなご利益があるのか?」についてまとめています。

イワナガヒメノミコト(石長比売命)は何の神様?

石長比売命(イワナガヒメノミコト)は日本の神様で、古事記・日本書紀の神話に登場する神様です。

日本神話の中の後半、「ニニギノミコトの子孫」の話で登場します。

天孫・邇邇芸命(ニニギノミコト)が地上に降り、美しい「コノハナサクヤヒメ」※と出会います。

※コノハナサクヤヒメは山の神様・大山津見神(オオヤマツミノカミ)の娘。

大山津見神(オオヤマツミノカミ)はニニギノミコトとの結婚を喜んで、もう1人(1柱)の「石長比売命(イワナガヒメノミコト)」をセットで送ってきました。

ニニギノミコトは「永遠の繁栄」を望んでいたので、大山津見神(オオヤマツミノカミ)は「繁栄」のコノハナサクヤヒメ「永遠」のイワナガヒメを送ってきたのですが、妹・コノハナサクヤヒメは美しく、姉・イワナガヒメは容姿が醜かった(容姿が平凡だった)ことから魅力を感じず、ニニギノミコトはイワナガヒメだけを送り返してしまったのです。

この時、大山津見神(オオヤマツミノカミ)は「イワナガヒメを受け入れてくだされば、天孫の命は岩のように永遠にあられたのに、コノハナサクヤヒメを召された方は花が咲き乱れる木のように繁栄しますが、はかない生涯をおくることになります」と言って嘆きました。

そのようなことから、ニニギノミコトとその子孫の寿命は縮み、人間と同じように寿命があるようになりました

参考資料:皇室の起源神話P126〜127「正しく読む古事記」竹光誠(エムディエヌコーポレーション)より

これは、神様の子孫である「天皇」が、人間と同じ寿命であることを説明するための神話となっています。

最近ではイワナガヒメが人気で、「外見にとらわれず、内面や本質を磨く」という意味の説明に使われています。

以上のイワナガヒメの神話は「古事記」が中心です。

「日本書紀」には「大山津見神(オオヤマツミノカミ)の女たちで、姉をイワナガヒメ、妹をコノハナノサクヤヒメという。そこでニニギはコノハナノサクヤヒメを幸された。」という内容しか載っていません。

参考:神代下P.174〜175「日本書紀(上)」井上光貞監訳・川副武胤/佐伯有清訳(中公文庫)より

 

イワナガヒメノミコト(石長比売命)のご利益

岩のような永遠性を表す神様であることから、不老長寿・健康長寿のご利益があるとされています。

また、事業や会社などの持続的発展のご利益もあります。

その他、ニニギノミコトに送り返された石長比売命(イワナガヒメノミコト)がそのことを恥じ「我は長くここにありて、縁結びの神様として世のため人のために良縁を得させん」と言い、貴船神社に鎮まったことから、縁結びのご利益があるとされています。

「失恋したからこそ、同じような苦しみを後の人たちに味わせたくない」という思いから恋愛の神様になったと言われています。

 

スポンサーリンク

呼び方

一般的な石長比売命(イワナガヒメノミコト)以外にも呼び方は色々あります。書物や神社によって読み方が変わりますが、すべて同一神です。

呼び方 意味
石長比売(イワナガヒメ) 「古事記」での呼び方
磐長姫(イワナガヒメ) 「日本書紀」での呼び方
石長姫命(イワナガヒメノミコト) 伊豆神社の呼び方
石長姫尊(イワナガヒメノミコト) 雪見浅間神社の呼び方
石長比賣命(イワナガヒメノミコト) 伊砂砂神社の呼び方
磐長姫命(イワナガヒメノミコト) 貴船神社、大室山浅間神社の呼び方
磐長姫大神(イワナガヒメのオオカミ) 磐長姫神社の呼び方
岩長姫尊(イワナガヒメノミコト) 銀鏡神社の呼び方
上津姫命 三島神社の呼び方。磐長姫命(イワナガヒメノミコト)の別名

 

イワナガヒメノミコト(石長比売命)が祀られている神社

石長比売命(イワナガヒメノミコト)の神社は、日本全国にそれほどありません。

山の頂上付近の簡単には行けない神社があります。ご注意下さい。

神社名 読み方 住所 ゆえん
月水石神社 がっすいせきじんじゃ 茨城県つくば市筑波(筑波山) 主祭神が磐長姫命(イワナガヒメノミコト)
三島神社 みしまじんじゃ 東京都大東区下谷3丁目 配祀のうちの1柱が上津姫命(雷神)
雲見浅間神社 くもみせんげんじんじゃ 静岡県賀茂郡松崎町雲見 主祭神が石長姫尊(イワナガヒメノミコト)
大室山浅間神社 おおむろやませんげんじんじゃ 静岡県伊東市富戸 主祭神が磐長姫命(イワナガヒメノミコト)
伊豆神社 いずじんじゃ 岐阜県岐阜市切通 主祭神が石長姫命(イワナガヒメノミコト)
伊砂砂神社 いささじんじゃ 滋賀県草津市渋川 主祭神が石長比賣命(イワナガヒメノミコト)
貴船神社「結社」 きふねじんじゃ「ゆいのやしろ」 京都府京都市左京区鞍馬貴船町 御祭神の一柱が磐長姫命(イワナガヒメノミコト)
磐長姫神社 いわながひめじんじゃ 兵庫県尼崎市武庫之荘西 主祭神が磐長姫大神(イワナガヒメノオオカミ)
銀鏡神社 しろみじんじゃ 宮崎県西都市大字銀鏡 御祭神の一柱が岩長姫尊(イワナガヒメノミコト)

関西では京都市の貴船神社、兵庫県尼崎市の磐長姫神社があります。

 

関連ニニギノミコトの子孫 | 山幸彦と海幸彦・神武天皇

関連日本の神様 一覧| 古事記・日本書紀の神話

ホームページに戻る