
天津祝詞(禊祓詞)は、神社のお祓いで唱えられていることばです。
今回はその天津祝詞の全文(ひらがな付き)とその意味を解説します。
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天津祝詞は古事記や日本書紀の神話を知るとより理解できます。日本の神様について詳しくはこちら▼
天津祝詞/禊祓詞とは?

天津祝詞(あまつのりと)は、別名「禊祓詞(みそぎはらえのことば)」とも呼ばれ、神道で古くから伝えられている祓(はらえ)の祝詞(のりと)です。
祝詞とは、お祭りや神事で神様に奏上することばのことで、目的や場面に応じて色々な種類があります。その一つが天津祝詞。
祝詞を唱えることで、無病息災・病気平癒・家内安全など、神様のご加護・ご利益をいただけると信じられてきました。
天津祝詞は、日本神話に登場する伊邪那岐命(イザナギノミコト)が黄泉の国から戻った時、自らに付いた穢れ(けがれ)を祓うために唱えたのが起源とされ、人々の罪や災いを清め、心身を新たにする力を持つと伝えられています。
現在も神社の大祓や禊の儀式で天津祝詞は唱えられ、清らかな心で日々を過ごすための大切な祝詞(のりと)として受け継がれています。
天津祝詞/禊祓詞の全文(ひらがな付き)
天津祝詞(禊祓詞)の全文です。その下にひらがな付きで記載しています。
⾼天原に 神留まります
たかあまはらに かむずまります
神漏岐 神漏美之命以ちて
かむろぎ かむろみのみこと もちて
皇御祖神 伊邪那岐之⼤神
すめみおやかむ いざなぎのおおかみ
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に
つくしの ひむかの たちばなの おどの あわぎがはらに
身禊祓い給ひし時に ⽣坐る祓戸の⼤神等
みそぎ はらいたまひしときに あれませる はらいどのおおかみたち
諸々の禍事罪穢を
もろもろの まがごと つみけがれを
祓へ給へ清め給へと申す事の由を
はらへたまへ きよへめたまへとも まおすことのよしを
天津神国津神⼋百万の神等共に聞食せと
あまつかみ くにつかみ やほよろずのかみたちともに きこしめせと
恐み恐みも申す
かしこみ かしこみ もうす
天津祝詞/禊祓詞の意味(現代語訳)
天津祝詞(禊祓詞)の意味がわかりやすいように現代語訳しています。
天の国(高天原)におられる
かむろぎ(男神)、かむろみ(女神)の神様の力をいただいて、
尊い祖先の神様である伊邪那岐命(イザナギノミコト)が、
九州の日向にある橘の小戸の浜辺で、
身を清める禊(みそぎ)を行った時にに生まれた、祓い(はらい)の神様たちに、
いろいろな災いや罪やけがれを、祓い清めてくださいとお願い申し上げます。
どうかお聞き入れくださいと、恐れ多くも、謹んで申し上げます。
以上が現代語訳になります。
天津祝詞は「イザナギが禊(みそぎ)をしたときに生まれた祓いの神さまたちに、災いや罪、けがれを取り除いてください」とお願いする言葉です。
とても短いですが、心を清め、新しく生まれ変わるような力を持つ大切な祝詞です。
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天津祝詞は日本神話と同じ内容なのがわかるかと思います。
イザナギが禊祓をした時に生まれた神様が、アマテラスに繋がり、そこから現在の天皇まで繋がっているということを意味します。
より詳しくは「日本の神様 一覧| 古事記・日本書紀の神話順」を続けて読んでみて下さい。

